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NPO法人設立にあたって

 9月に入ってすぐ、娘が福祉施設から私の職場のある児童館に帰ってくる、いつもの時間帯、私の携帯が鳴りました。「何だろう?またMが何かやらかしたかしら?」と思いながら出てみると、知らない女性の声の向こうに、Mの大きな泣き声が響いています。「交通事故です」「あっ!」状況一転、取り敢えず私は私物の入ったバッグを持って「もう1人一緒に来て」と職員に叫び、ジャージのまま飛び出しました。
 場所は児童館まで数分の信号のない交差点。駆け付けた時、Mは交差点に面した、たびたび寄り道する床屋さんのソファに座って泣きじゃくっていました。見たところ流血はありません。左肘と左膝に打撲の兆候があります。私は、Mの意識があることに安堵しました。
 その場に居合わせた方々や事故の相手によると、「Mは横断歩道の前に立っていた。近くに小学生もワラワラしていたので、運転手は時速20q位の低速で横断歩道を横切ろうとした。突然Mが走って車の前に飛び出した。ものすごく大きな音がしてMは跳ね跳んだ」ということでした。
 救急車に乗り込むと「おかあさん、ごめんなさい。はしっちゃったぁ。うわぁーん」と自己反省。「こんなのいやだ、いやだぁ」とも叫びました。よほど怖い思いをしたのでしょう。Mにとって交通事故は2度目です。1度目は5年前の5月、翌年に控えた成人式の着物選びをしている頃でした。あの時は大きなトラックと接触して、3針縫う怪我もし、彼女なりに気を付けていたはずなのに。
 今回の事故は横断歩道上なので、運転手の前方不注意ということになりますが、幸い打撲だけで済みましたし、一方的に運転手を責める気にもなりません。
 小学校1年生の時から登下校を繰り返し、交通ルールを身に付けてきたはずなのに、大人になって情緒の乱れや退行があり、細かい判断が鈍ったり、衝動的になったりしています。他にも、以前は、お店のものはお金を払わなければ自分の物にはならないと分かっていて、我慢することが出来たのに、つい1ヶ月くらい前には、寄り道したお店から商品を持ち帰ってしまいました。勿論すぐにお金を払ってきましたが、前は出来ていたのに、分っていたのにと受け入れがたいことが、たくさんあります。なぜ前は出来ていたことが難しくなるのでしょう。この頃は朝の路線バスの利用も安定しません。IQは低くても、生活年齢を重ねることで獲得できることはあると信じて、色々なことに挑戦させてきたのに。「そんな子を野放しにしておくな」と、怒りを買うこともあるのかなぁと少しへこみたくもなります。
 でも今回の事故に際しても「よく見かける方だったので」と、胸に提げた私の携帯番号に電話してくれた人、救急車を呼んでくれた人、ソファを貸してくれた床屋さん、大勢の方がMのことを心配して下さいました。こんな時、私は、やはり日常である事が大切なのだと感じます。Mが色々なことをやらかしながらも、毎日辺りを歩いているからこそ、気にかけて下さる方が増えていきます。こんな風に周りの方を巻き込みながらも、感謝と謝罪を繰り返しながらも、重度知的障害者のMが、一人で行動する機会をまだまだ諦めたくないと思う今日この頃です。

理事長のひとりごと

交通事故