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NPO法人設立にあたって

 知的障害の娘を持つ私は、娘がまだ小学生の頃、いつか二人で赤ちょうちんの飲み屋さんをやりたいと、かなり本気で考えていました。明るく社交的な娘は、にこにこと自ら人に寄っていくタイプ。私がママで娘がちぃママで、ちょうど通常学級で過ごした小学校のお友だちや、それまで関わって頂いた多くの方々に来てもらえたら娘も喜ぶし、いいなあと夢見ていました。結構たいへんな子だからこそ、施設に預けず地域でずっと一緒に暮らそうと思っていたのです。
 ところが、ある日ある人から「親子の利害は一致しない」という話をお聞きしました。「えっ?それはどういう意味ですか?」と即座に聞き直したところ、つまり「親が良かれと思ったことが、必ずしも子どもにとって良いとは限らない」ということでした。私にとって、それはまさにカルチャーショックとでもいうべき言葉で、自分が一生懸命考えて娘に良かれと思ってやってきたことが、そうでないこともあるのかと、とても考えさせられ、その後折ある毎に思い出し反芻していました。そしてその言葉の重みは、娘が成長するにつれ意味を成し、理解できるようになったのです。
 思えば娘の幼児期は、言語聴覚士の先生に「何か困っていることはありませんか?」と聞かれても「特にありません」と平気で答えていた私。ただただ可愛いと思えた頃でした。それから長い年月、自分が休むことには罪悪感を持つほど精一杯、娘に良かれと思うことを出来得る限りやってきました。楽しいことも嫌がることもすべて一緒に。
 ところが、もともとの精神遅滞とてんかんによる退行もあって重度さは増し、いつしか私と娘の関係は恒常的に世話をする側と世話を焼かれる側になっていきました。毎日毎日繰り返される生活訓練に疲れ果て「もー、いやだ!」と投げ出したくなることもしばしば。
 それは多分お互い様で、娘は娘でお年頃、好きなスターと結婚したかったり、キスや抱擁へのあこがれもある中で、毎日小言を言われていたのではウンザリのはず。さらに、発達年齢と生活年齢のギャップからか成人後に反抗期ともとれるような不安定さが出て、睡眠障害が起きたり、急に苛立ったり、激高したり、ものすごい力で掴みかかってくる娘に応戦しようものなら、互いの体に傷を付け合ってしまいます。それは娘からの必死の「助けて」のサインのようにも思えます。
 一方で、私の帰りがどんなに遅くても寝ずに待っている娘。「なんだかんだ言っても、やっぱりお母さんが一番好きなんだね」と周りの人には言われるけれど、依存している感も否めません。そろそろ子離れ、親離れする時が来たようです。ここ数年来、いつも一緒だった私たちにも別々に楽しむ機会が増えてきました。これからは、一緒に暮らさなくても地域で共に生きることを目指していこうと思います。

理事長のひとりごと

親子の利害は一致しない