最近、これからの障害者施策について考える機会がありました。
障害乳幼児通所訓練施設の職員としての経験と、自身も知的障害者の保護者としての立場で考えると、それは直接願いごとに繋がります。
私たちの施設は1才前後から就学前まで一貫して母子通所を特徴とし、母子活動を通じて母子の愛着を育て信頼関係を築き、子の成長を促すと共に、母親、家族へのこまやかな支援に尽力してきました。
そしてこの保護者、家族への支援こそが、これからの障害者施策の大きなポイントになると考えます。
早期療育や特別支援教育が充実したものになるために何が必要か。
私は重要な側面として、障害児を取り巻く周囲の人々の理解が挙げられると思います。
例えば、特別支援教育の巡回指導を受ける子どもが、周りの子どもたちの視線を気にするという話を聞いたことがあります。
「障害は理解と支援を必要とする個性」という言葉がありますが、障害を負のイメージで捉えることを払拭できれば、障害児本人も保護者もどんなに楽になるでしょう。
周りの目を気にせずもっといろいろな支援を受けやすくなるのではないでしょうか。
障害者の保護者は、子が乳幼児期は療育のために奔走し、学齢期は教育と余暇活動の充実のために心血を注ぎ、成人後も福祉就労の場合、施設を支援するため多くの活動を強いられます。
企業就労の場合も心配の種は尽きません。
障害者の保護者は子の成長に合わせずっと頑張り続けているのです。
休むことに罪悪感を持つ保護者も少なくありません。
それがこれまでの障害者施策の充実にも繋がっているのでしょう。
その保護者、家族を支援するために、これからはグループホーム・ケアホームの充実が必須だと思います。
これは障害者本人の自立にも繋がりますが、保護者、家族との関係を円滑にするためにも、障害者も保護者も若いうちから利用できるような環境と施設作りが望まれます。
レスパイトやショートステイについても、もっと気軽に利用できる環境があれば、障害者と家族の関係もリフレッシュ出来、豊かになると思います。
周囲の理解が広がること、グループホーム・ケアホームの充実など、家族への支援を考えれば、おのずと障害者施策は多岐に亘っていくでしょう。
障害者の親として走り続け、ややくたびれ始めた今日この頃、七夕の夜に願いを込めて書きました。