Vol.7 そしてケアホームへメインビジュアル

2009.11.30

知的障害者が親元を離れて暮らす場所として、知的障害者更生施設があります。
ココ・ファーム・ワイナリーを持つ「こころみ学園」もそのひとつで、川田先生が自費を投じて土地を購入し、制約を受けたくないと行政からの補助金を受けず自前で学園を作り、社会福祉法人を設立して運営しています。
東京都はこれまで都内のみならず都外にも多くの更生施設をつくってきました。
幼児期に私が担当していたS君は、はるか青森の施設で暮らしています。
また、今以上に昔は、障害者の保護者たちが出資して施設をつくることも多かったのですが、実際に我が子の将来を思い、百万円以上のお金を出資し地方に成人後の施設をつくったが、順に入所していくので、わが子が成人したときに果たして本当にその施設に入れるか心配だ、という話を聞いたこともありました。

平成9年を最後に、東京都は地方に更生施設をつくるのを止めましたが、障害者施策も生まれ育った地域で生涯暮らせるようにと変化し、それがグループホーム・ケアホームの増加へと繋がっています。
グループホームは軽度の方の施設で、娘のような重度知的障害者の場合、職員の配置人数などの関係で、ケアホームと呼び方を分けています。

わが区では現在4つの社会福祉法人が、知的障害者グループホーム・ケアホームを運営しています。
その数は53で都内でも非常に多く、それは他に先駆けて草分け的にグループホームを作り続けてきた原町成年寮の功績と言えるでしょう。
葛飾幼児グループでも4年前に機関紙の取材で、ケアホームである原町成年寮の「東立石生活寮」と、かがやけ福祉会の「エタンセール」を見学させていただきました。
それぞれ車椅子でも対応できるようになっており、個室と皆が集うリビングダイニングがあり、とても夢が膨らんだのを覚えています。

現実にはグループホームに比べケアホームは極端に少なく、我が家では娘の通う施設の法人が、葛飾区にケアホームを開所する計画があると2年前に聞いてから、出来るのを心待ちにしている状態ですが、場所探しから難航し、まだまだ先の話になりそうです。
障害者は家庭の中にあっていつまでも子ども扱いされがちです。我が家でも娘が末っ子のせいもあり、重度なのでなおさら大人扱いが難しい。
しかし成人すればいずれ自立するのは、障害があってもなくても当たり前と言える世の中になるよう、どんなに障害が重くても職員の支援を受けながら、生まれ育った地域で自立することを目指します。